| 選考委員選評 |
| 高畑京一郎 |
舞台を一つの店だけに限定し、そこから世界を透かし見せる構成は面白い。 しかし、キャラクターの書き分けが不充分で、似たようなシーンを何度も読まされる事になるのがつらい。また、エピソード間の時間経過を様々な形で描写できれば、物語の大きなうねりを演出でき、また世界全体を生きたものにできた筈で、そのあたりが勿体ないと思った。
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| 時雨沢恵一 |
ほとんどのシーンが、主人公の営む防具店での語りや手紙という展開は、個人的にかなり好きです。文章も綺麗でした。ラスト、あの防具の持ち主は本当に死んでいるのかとても気になります。
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| 佐藤竜雄 |
主人公である店主はひたすら店で客を待っている。馴染みの客の口から情報はもたらされ、物語も様々な語り口で上書きされ、追加され進んでいく…… こういうスタイルは結構好み。それだけに終盤の畳みかけがちょっと長引いてしまったのが惜しい。あと、アルフォンスの傭兵としての成長が、もう少し意識して描かれていれば、主人公の「待ち続ける」時間の長さというものがもっと感じる事が出来たと思う。それはそのまま主人公の成長でもあるから。
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| 豊島雅郎 |
「何かを待つ」主人公ソラの想いに心打たれる。筆者は、読む者をグイグイと引き込む才能があるのではなかろうか!? 正直なところ、初見では、凡庸なレジスタンスものSFファンタジーだと感じたが、二回目読み直してみた時に、アニメ・ゲーム世代の若者を中心に受け入れられる作品ではなかろうかと思い直しました。筆者の次の作品も、ぜひ読んでみたい!
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| 鈴木一智 (取締役・第2編集部 統括編集長) |
最初は典型的なRPG系ファンタジーかと思っていたのですが、防具屋を営む少女の元を訪れる冒険者たちの証言から一つの物語が浮かび上がり、それが最後にヒロインの思い人に繋がるという構成は良い意味で意表を突かれました。またヒロイン自身をストーリーテラーにしない事で物語が必要以上に湿っぽくならず、全体として心に染みるテイストが演出されています。派手さは無いものの、女性らしい感性が上手く投影された作品と言えるでしょう。
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