| 選考委員選評 |
| 高畑京一郎 |
三国志の原典をよく知り、尊重もしている事が、作品の端々から伝わってくる。 国盗り物語としての雰囲気もよく出ていた。宝具・神具の設定も、この先いろんな戦術が編み出せそうで面白い。文章力は高いが、具体的な動作の描写を省略して結果だけ書く傾向があり、立ち回りの臨場感を削いでしまっているような気がする。
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| 時雨沢恵一 |
恥ずかしながら、私はまったく三国志を知らないので、人名や土地名でとっかかりにくく評価に悩んだ作品でした。ヒロインの可愛らしいところ、話の起承転結がしっかりとできていたと思います。合戦シーン、戦闘シーンでの描写は素晴らしかったです。
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| 佐藤竜雄 |
ヒロインのツンデレぶりは敢えて意図的なのだろう。それを良いと取るか取らないかで評価は大きく変わる。ヒロインの性格設定にブレがあるために、その恋愛模様がツンデレと相成ってチグハグに。終盤が駆け足気味だったのも惜しまれる。 ただ、戦場の描写や、個々の戦闘などはなかなか読ませる。英雄の時代というものを描こうという気概は感じた。
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| 豊島雅郎 |
正直、「三国志」を全く知らない私にとっては、未知の世界のお話でした。同じ審査委員の高畑先生によれば、「三国志」をベースに良くキャラクターをデフォルメして描けている、秀作との評価でした。 今回の候補作の中では、個人的には一番評価し難い作品であったとカミングアウトしておきます。ただし、老成した文章力には心から脱帽してしまいました。
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| 鈴木一智 (取締役・第2編集部 統括編集長) |
三國志をモチーフにした別作品(こちらは孔明と馬謖を主人公にしたミステリ仕立てでした)も、4次選考まで残っていた方です。歴史ものをアレンジするスタイルが確立されており、本作も中華的世界観にファンタジーとラブストーリーの要素を取り込んだテイストがユニークな作風を醸し出しています。典型的なツンデレをヒロインとして投入したのもむしろ新鮮でした。ファン以外は取っ付きにくい歴史モノですが、そこを押して読ませる筆力を持った方です。
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