| 選考委員選評 |
| 高畑京一郎 |
無理なくテンポよく必要な事を説明していく冒頭部分が、非常にうまく、読んでいて心地よかった。しかし残念な事に、そのテンポの良さが、中盤からぴたっと停まってしまう。また、ヘッポコの正体が、あまりにも類型的な上に予想通り過ぎ。ヘッポコが途轍もなく愛らしく描けていただけに、なにか勿体ない気がした。
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| 時雨沢恵一 |
二十代の社会人が主人公で、その行動が “仕事” という点が、とても異色で印象に残る作品でした。神様ネタですが、こういう描き方が出来るのは日本らしくてとても好きです。話の最後、まんまと主人公に騙られて感動してしまった私がいました。ほのぼのとした雰囲気のまま、主人公には日本のあちこちに行ってもらいたいです。それこそ寅さんみたいに。
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| 佐藤竜雄 |
とぼけた導入が秀逸。リアル過ぎず、ゆる過ぎず。この世界観ならばあり得るなあと読者に思わせるであろう文章力は旨いと思う。それだけに中盤以降のエピソードが団子状で一本調子になってしまい、盛り上がらずに終わったのは残念。せっかくの最終兵器も一見派手だが、主人公の奮闘を無意味なものにしている。
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| 豊島雅郎 |
人それぞれの 「河童」 像があるからでしょうか、「河童」 モノはなぜか商品としては爆発的には売れないんですよね〜(笑)。冗談はさておき、文章構成力やイマジネーションには老成した才能さえ感じました。個人的には、もう少しダークサイドを描いてもらえたら、もっと評価が上がったかもしれません。今度は、もう少し弾けた作風の作品を読んでみたいですね。
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| 鈴木一智 (第2編集部 部長・統括編集長) |
小説の評価基準として重要な “導入部の引き” という点において非常に優れています。ただ中盤からのシリアスな展開が若干重く、オチも主人公の苦労を尻目にアマテラスが一気に解決してしまった印象。物語全体を締めるネタがもうワンエピソードあっても良かったかも知れません。とはいえ伸び代を感じさせる作品なので、軽妙なネームセンスを活かして改稿すれば更に良くなるでしょう。
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