| 選考委員選評 |
| 安田均 |
ファンタジーのモンスターたちを用いて、見事なシチュエーション・コメディを組み立てている。一見、よくありそうだが、各モンスターを“微妙にハズした”存在に仕立て、そのやりとりの妙や間の取り方には、すばらしい発想とユーモア/ギャグ感覚がみてとれる。途中、何度もふきださざるを得なかった。構成もしっかりしている。軽くて評価が低くなりがちだが、実際にこのレベルで仕上げるのはむずかしい。そこを買う。
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| 深沢美潮 |
当初、いわゆる「メイドさん」「萌え系」狙いかなと思いました。でも、そんな眼鏡はどこへやら。本当に楽しかった! センスがいいですね。軽々書いたようで、様々工夫しているのも好感が持てる。アダムスファミリーを彷彿とさせ、日本ではなかなか珍しいシチュエーションコメディに仕上がってます。軽い作品なので、大賞は難しいかもと思っていたのですが、審査員のほとんどが好き! の点で一致していました。わたし? もちろん大好き。続編、絶対読みます。
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| 高畑京一郎 |
ストレートな、お気楽ライトファンタジー。だが、その裏には緻密な計算がある。キャラ設定やその配置も見事だし、ストーリー的にもきっちりと伏線を機能させている。ユーモアもあれば意外性もあり、万人が楽しめる作品に仕上がっている。最後の落とし方も愉快。強いて欠点を上げるとすれば、そつなくまとまり過ぎているというあたりか。いずれにせよ、デビュー作でこの完成度は、驚異としか言いようがない。
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| 佐藤辰男(小社代表取締役会長) |
「ふしだらになれないサキュバス」とか「善政をしく吸血男爵」「ペンギンみたいにかわいいガーゴイル」みたいな、前の形容詞とキャラの属性がまったく矛盾した設定が楽しい。全編、神経の行き届いた良質なコメディに仕上がっている。この手のユーモア小説というのは、どうしてもシリアスで問題意識の高い作品と比べられて賞がとり難いもの。これだけ緻密に積み上げてゆるーく見せる技量はもちろん高く評価されなければならない。
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| 鈴木一智(電撃文庫編集長) |
メイド仕事を天職とする妖精バンシー、身持ちの堅いサキュバス、まるでペンギンみたいなガーゴイル、一流庭師のリビングデッド、女好きのデュラハン等、ユニークなキャラたちが繰り広げる愉快なドタバタ。本来はホラー系のキャラをコミカルに仕立てる手法は目新しいものではありませんが、とにかく理屈抜きで楽しめる作風は非常に気に入りました。好みが別れやすいコメディ系を誰もが楽しめるエンタテインメント作品に仕上げたところにこの方の実力を感じます。
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