第12回 電撃大賞 入賞作品

銀賞
室井麻希 (兵庫県)
想定電撃文庫作品 「タツモリ家の食卓」


受賞後作品
「月の盾」 (電撃文庫)

あなたが教えてくれた。 心を彩る希望の色を――。

5年前に最愛の妹を亡くした村瀬暁は、叔母の忘れ形見の小柄で美しい少女・国崎桜花と同じ屋根の下で暮らし始める。
絵の才能に恵まれた桜花は、暁に見守られながら美しい風景をスケッチブックに描いていく。
だが、夕暮れだけはなぜか嫌いだと拒んで……。





プロフィール
1979年生まれ。北海道出身。幼少の頃見ていた魔法少女シリーズに始まり、影響を受けた作品は多数。高校、短大時代に油彩を学ぶ。尊敬するクリエーターは川元利浩さん、山田章博さん、出渕裕さん、島本和彦さん、佐々木倫子さん、桜井政博さん、浅井真紀さん、竹谷隆之さん他。音楽はアニメソングや特撮ソングを好んで聴きます。

受賞者コメント
一次選考に残ることを目標としていたので、このような評価を頂き大変恐縮しています。『タツモリ家の食卓』については、3人のヒロインに焦点を当て性格や役割を表せるよう努めました。SFコメディという内容から、ハードな印象になりすぎないよう要素選びに気を配ったつもりです。キャラの凄まじいパワーと勢いある世界観を表現出来ていれば幸いです。

選考委員選評
天野喜孝
カラーイラストの、中央に位置する女の子がとても可愛らしく、同時に魅力的な絵であると思いました。作品全体から、ちょっと不思議な雰囲気をかもしだしていて、そういったところも良いと思います。とくに、さきほどの女の子の影の使い方も、なかなか面白いと感じました。

出渕裕
デザインセンスは良いです。個々のキャラクターの装飾などに、こだわりを感じました。今流行りのスタンダードな部分を押さえてあるなという気がします。今の世代には受け入れられやすい絵ですね。ただし、レイアウトが少々難があったと思います。ディティールは凝っているのですが、それらを組み合わせるときに、逆にポイントが見えづらくなっているところがあります。見せたいところを絞っていく技術を獲得できれば、もっと伸びると思います。もうすこし、ソリッドなところが欲しかったです。

衣谷遊
画面に、“奥行き”感があるのが良いと思いました。そのほかの処理も、細かいところほど丁寧になっていて、良いんじゃないかと思います。ただ、モノクロとカラーで、テイストの差がもう少しあると面白いかなと思います。モノクロが、カラーイラストをモノトーンで塗っている、という感じが見えてしまっていて、あと一息、白・黒の減り張りがある方が、モノクロページの挿絵としては良いんじゃないかと思いました。

緒方剛志
一人の少女を描いているカラーイラストの、濃い影に惹かれました。そのわりに、背景は淡い感じで、目にスパッと入ってきましたね。キャラクターに影を被せるっていうのは、応募作品ではあまり見ません。影になったキャラのフェイスもきっちり描き込まれているし、背景もしっかりしている。淡くてコントラストが強い、そういう雰囲気が、気に入りました。

鈴木一智(電撃文庫編集長)
このまま文庫のカバーや挿絵に使えそうな程の画力を持った方です。キャラクター自体はオーソドックスな印象ですが、ガジェットや構図で物語性のある世界を描きだしており、そこが個性となっています。どんな原作にも対応できそうな汎用性もあり、個人的には金賞レベルの作品でした。即戦力として期待しています。





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