第12回 電撃大賞 入賞作品

金賞
水那瀬 (愛知県)
想定電撃文庫作品 「アリソン」


受賞後作品
「エンジェル・ウィスパー」 (単行本)

一つの単語と一粒の薬が、巡る人たちの運命を変える――。

一枚の風景画と、“エンジェル・ウィスパー” という謎の単語を残して、弟は失踪した。
地元の神社に伝わる天女伝説。
自殺サイトで囁かれる謎の向精神薬。
『君ハ、選バレタ』 ―― 携帯に届く謎のメール。
エンジェル・ウィスパー。
それは、のどかな春の日に紛れ込んだ密かな予兆。
―― 兄さん、僕ね。 生まれ変わるよ。





プロフィール
1980年9月11日生まれ。生まれも育ちも愛知県。芸短大にて視覚伝達デザインを専攻するものの、一番に学んだのは「絵描きで食っていくのは困難である」ということ。道は険しいけれど不可能ではないと信じ、けもの道のスタートラインに立て……てると良い。絵・音楽等ジャンルに限らず、完成度よりも斬新的なものを好む。小心者かつ好奇心旺盛、神経質かつ大雑把な「A型と見せかけて実はO型だろう」と言われるA型です。

受賞者コメント
この度は目に留めて頂き、誠に有難うございます。実は4度目の応募だなんて、口が裂けても言えません。今回はカラー・モノクロ共に、沢山並べられた中で目を惹くようにという事を念頭に置きました。大きな偉業を成し遂げた少し昔のお話という事で「アリソン」は写真仕様+二人の主役を象る物&空です。アリソン本人には魂を詰め込みました。文庫一冊に込められた絶望と希望の断片を、一枚絵から感じて頂ければ嬉しく思います。

選考委員選評
天野喜孝
とくにカラーイラストに関しまして、とても暖かみのある作品だと思いました。人に好かれる絵柄をお持ちで、そういった雰囲気やイメージを感じます。塗りについても、水彩の色が非常に綺麗に仕上がっています。

出渕裕
今回の中で、唯一個性らしきものを感じました。モノクロが特にそうなんですけど、レイアウト能力がある。逆にキャラクターの方はキャッチーな部分が薄いかも知れませんね。なかなか受け入れられにくいところがあります。そこの部分をソリッドに突き詰めていくことができれば、伸びる可能性が十分にあると思いました。カラーには、暖かみも感じました。塗りについて「色を埋めていく」というだけじゃなく、そのタッチに個性を感じます。あとは画面の切り取り方と、そのメリハリの付け方に、個性と手堅さを感じました。今後、とんがってくことによって、それを削ぎ落とされる危険性も同時にあるので、それを含めた“将来性”で推しました。

衣谷遊
カラーの色彩がきれいですね。とくに、一人の少女を描いている方のイラストが良いと思いました。モノクロも、白と黒のバランスがとてもよくて、全体的に気持ちの良い絵だと思います。また、CGを使ってるわりには、手描きのような暖かみがあるところが、最近では珍しいと思います。そのあたりが好感触で、金賞として推しました。

緒方剛志
この方は、「将来性」で金賞に選ばさせていただきました。まだ、少々“甘い”感じがあるんですが、年齢の若さもあり「伸びしろ」を採りました。キャラが複数あるカラーイラストに関して、僕は描けないなと思いましたね。デザインも良い意味で変わってます。ただ、とくにカラーに関して、表紙にするには少し全体的にインパクトが弱いかなと思います。これから経験を積んで、新しい自分を見つければ、さらにステップアップを期待できると思いました。

鈴木一智(電撃文庫編集長)
技術的にはまだまだ荒削りな部分も多いのですが、最終候補作の中で最も効果的に個性を演出できている点を評価しました。さり気ない絵柄ですがアイキャッチやコントラスト等、画面構成がよく考えられています。イラストを描く上での発想が優れているのだと思います。未完成な分、今後の成長が楽しみな方です。





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